「新型コロナウイルス変異株の子どもへの感染拡大防止の徹底を求める要望」2021.3.26
本日、菅義偉 内閣総理大臣に、
「新型コロナウイルス変異株の子どもへの感染拡大防止の徹底を求める要望書」をお渡しいたしました。
日程調整をしておりましたが、お受け取りいただけないようでしたので、
予算成立後の挨拶周りで来られた際に、お渡ししました。
内閣総理大臣
菅義偉殿
れいわ新選組代表 山本太郎
2021年3月26日
新型コロナウイルス変異株の子どもへの感染拡大防止の徹底を求める要望書
昨年12月、新型コロナウイルス感染症変異株患者が発生し、その数は拡大しています。
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症(変異株)への対応についてガイドラインを示していますが、監視体制を強化するという意気込み以外は抜本的対策を示していません。
周回遅れの対策を早急にアップデートしなければなりません。
変異株について、「従来の株と比べると感染力が高く、感染した方から検出されるウイルスの量が多い」という指摘もあります。このままでは、変異株の増加に歯止めがかからず、
子どもへの感染拡大も防止することができません。
新型コロナウイルス変異株の子どもへの感染拡大防止の徹底を求め、以下要望いたします。
記
1.(PCR検査の徹底拡充)
・学校単位、クラス単位における感染の兆しを察知するためにも、
学校関係者、教職員及び全児童・生徒にPCR検査を週一度を最低限の目標とし、
実施するようにすること。
・加えて、自宅での抗原検査も行える態勢を整備すること。
2.(休校の要請)
・検査の結果、新型コロナウイルスの子どもへの感染の兆しが見えた時点で、
その地域ごとの一斉休校の措置を可能にすること。
3.(保護者への補償)
・学校の休校に伴う保護者の休業について、休業補償を行えるようすること。
・前回、助成を受けられなかったケースをしっかりと検証、次への準備を行い、
漏れのないよう国が支援を拡大すること。
4.(オンライン授業)
・学校で感染が発生し、休校などになった場合、授業等で学びに遅れが生じないようにするようにするために、オンライン授業が効果的に実施できるような取り組みを強化すること。
・端末については現時点で全体の97%で学校への配布が終了していると報じられている。
確実に各生徒の元に速やかに届くようにするとともに、
未完了とされる43自治体で速やかに完了するように支援すること。
・オンライン授業のための経済的にWi-Fiを用意できない児童生徒に対する支援として、
地方自治体に対してモバイルルーター等の整備支援を積極的に活用するよう継続的な働きかけを行うこと。
・低所得者世帯の通信費について、就学援助(要保護児童生徒援助費補助金)や特別支援教育就学奨励費および高校生等奨学給付金よって、通信費相当額を支給することになっていますが、支援漏れがないように徹底すること。
5.(スタッフの拡充)
・GIGAスクール構想によりオンライン事業などのICT教育が推進されている中、
ICTに対応できる十分な支援のための人材が確保されていないという指摘もある。
ICT教育の質を高めるためにも速やかに人員配置を充実させること。
6.(手当の支給)
「保健所から校舎内の消毒指示が出た場合でもするのは教職員である」という指摘が教職員組合から出ている。
・教員に対する過重な負担を課さないようにするために消毒などは専用の業者を活用する体制を整える支援を速やかに行うこと。
・また、教職員が新型コロナウイルス感染症に係るさまざまな通常業務以外の業務に従事する場合には手当が支給できるように予算措置を行うこと。
7.(放課後児童クラブ)
・学校が休校した際に、午前中からの利用を可能とする十分な態勢を整え、
コロナ収束までの間は無料とし、これまで利用していなかった子どもも利用できるようにすること。
・「省令基準」に示されている規模は平常時についてであるため、現在のような感染症拡大の恐れがある状況では、「省令基準」を、例えば、1つの支援の単位あたりおおむね20名以下、
子ども一人あたり3・3㎡以上のように、厳しくすること。
・そのためには、さらなる子どもに安全、安心して過ごせる「生活の場」の確保が必要であり、学校の教室を学習の場として提供することをより推進するだけではなく、他の公共施設も利用できるよう、早急に国や自治体として具体的な方策を図ること。
・そのために必要な放課後児童クラブ職員の大幅な増員、処遇改善への対策を早急に講じること。
・給食がなくなる場合に、各家庭で弁当を用意する負担を軽減する必要がある。自治体の側で安全に食事を提供できるための予算と態勢を構築すること。
・感染症拡大防止の観点から、児童館等の整理統合については控えるように自治体に求めること。
8.(子どもの居場所について)
・学校が休校した際に、自宅以外にも子どもの居場所を確保し、子どもが孤立しないように対策を講じること。
9.(細やかな感染拡大防止)
・学校ではトイレ、蛇口、手洗い場など共用スペースが多いことを踏まえ、無症状感染者からの感染拡大防止対策を更に徹底すること。
10.(教職員以外への支援)
・学校が休校した際にも、非常勤職員、学校用務員、給食調理師や補助金事業により配置されている職員等に給与が支払われるよう国が支援すること。
11.(遺伝子解析・変異株への研究支援)
欧米では、週に万単位での遺伝子を解析する能力があり、
更なる最大能力拡大に向け動いていると聞く。
本邦では、感染研を中心に最大で800/週、程度と限界がある。
このままではどうにもならない。
一方で、国内には最大で3万/週の遺伝子解析が可能な民間企業も存在するという。
・柔軟に方針を変えて、大学や民間、
研究機関などが連携・協力できる仕組みづくりと大胆な予算配分を行うこと。
12.(差別偏見防止の徹底)
感染者や医療従事者の家族に心無い差別的な言葉が投げつけられることがこれまでに問題になっている。見えないウイルスに対する不安が感染者への攻撃として現れてくる。
・感染は本人に責任はなく、非難されることではないことを教育活動の中で徹底し、
感染者やその家族、感染症治療の最前線で奮闘されている医療従事者等が不当に差別されつらい思いをしないようにすること。
以上